40代の転職市場が活発になった昨今においても、いくら応募しても面接にすら呼ばれない相談が絶えることはありません。
40代は働き盛りだと言われていますが、無職になったら働きたくても働けない悲惨な状態に陥いります。
ハッキリ言って他人ごとのように聞こえるかもしれませんが、この世知がない世の中誰にでも起こり得る緊急事態です。
40代は、転職エージェントに登録することから始めようって言われているけど、登録すらできない!そもそも転職サイトで転職できないって噂も飛び交うほど厳しい状況が続いています。
目次
40代が失業して無職になった理由は将来への不安から
無収入になる恐怖と戦いながらの活動は、精神力と体力が必要です。
いい求人があったら応募する待ちの姿勢では長引きますしし、転職市場の背景と実情を詳しく分析し、絶望と闘いながら1ミリでも前に進まなければ乗り切れません。
会社を辞める理由は人それぞれですが、具体的にはどんな理由があるのでしょうか?その答えは、厚生労働省が毎年発表している厚生労働白書から推測することができます。
自己都合による理由ベスト3
46.5%:会社の将来が不安だった
34.1%:労働時間、休日等の労働条件が悪かった
18.4%:給料等の収入が少なかった
驚くべきは、45歳から49歳までの年代で、会社の将来が不安との理由で退職した割合が37.4%とダントツに多い。
また、社会問題にもなっている親の介護で離職した40代の割合は、0.7%とまだまだ少ない状況のようです。
会社都合による理由ベスト3
51.3% 出向等の理由
18.2% リストラの会社都合
7.1% 定年・契約期間の満了
会社都合で多いのが、転勤や出向を機に転職するパターン。
やむを得ない理由も多いですが、私のようにリストラされて転職に至ったケースは左程多くありません。
転職市場が活発化しても40代は失業期間が長引く傾向
ここ数年、40代の転職市場が活発になってきましたが、転職活動が長引いてしまう傾向は依然続いています。
退職後しばらくはハローワークからの失業保険給付がありますが、なかなか転職が叶わず生活困窮者となるケースも珍しくありません。
40代の転職活動が活発になったとはいえ、依然として正社員採用枠は30代前半までが多いため、特別な能力や資格がない限り40代を積極的に採用する企業の絶対数は多くありません。
それ故に、転職活動がうまくいかず引きこもったり、生活保護を受ける40代が社会問題となっています。
失業保険給付が終了してしまった後は、アルバイトや内職で家計を補う人が多く、その行為がまた転職活動を長引かせる負のスパイラルに陥っていきます。
時給1,000円程度の給料で家族を養うことは不可能ですから、一刻も早く計画を練って行動することをオススメします。
40代の転職活動において悩むポイントは、次の4つに集約されます。
- そもそも応募できる求人がない
- 応募書類が面接に結びつかない
- 面接に呼ばれても、内定が取れない
- 内定が出ても、転職に踏み切れない
40代が無職になることは、想像以上に過酷です。
私も転職活動が1年以上かかり3か月間は完全無職・無収入状態になって、家族に多大な迷惑をかけまいました。
それだけでなく、完全無職状態は言い表せない絶望感が毎日波のように押し寄せてきます。
精神的におかしくなって、どうにかなってしまいそうな自分と必死に闘っていましたね。
計画性がない40代が転職活動に失敗して絶望する現状
転職活動は、飛び込み営業とほぼ同様の特徴を持っています。
これまでいくつかのノウハウとテクニックを紹介してきましたが、これらは40代が転職するための戦術。
目的に沿って戦術をどう組み合わせるかを戦略と呼びます。
飛び込み営業においても40代の転職活動においても、戦略的に行動することこそが結果的に一日も早い目標達成を叶える秘訣です。
しかし残念なことに、実際転職で戦略的に行動している40代は稀。
わずか2%かそれ以下の転職者しか実行できていないと考えています。
100人転職者がいれば、98人は無計画に転職活動を開始するため上手くいかず絶望していきます。
それは、多くの40代が経済的な問題を抱えていたり家族や周囲からの圧力に耐えきれず、なし崩し的に転職活動に突入してしまうことに原因があります。
できるだけ早い転職を果たしたい思いが強いためなのでしょう。
それゆえ、場当たり的に目先の求人情報に飛びついてみたり、自己価値の再認識や将来のイメージを持たないまま書類作成や面接に挑んだりすることで転職活動を長引かせてしまう現実が待っています。
戦略を持たない営業活動が成果を生まないのと同様、戦略のない求職活動も上手くいくはずがありません。
焦る気持ちを抑えて、まずは落ち着いて戦略的な活動を行うための環境つくりから始めるべきでしょう。
40代は転職活動にふさわしい活動拠点を整備するべき
転職活動を一種の営業活動だと考えると、そのための環境はこれまでの職場の環境と同じレベルのものが必要になります。
活動の拠点は自宅になりますが、普段はそうした環境が整っていないのが実情でしょう。
TVゲームや趣味の道具が散乱した部屋で活動するわけにはいきません。
例えば、自分の机や椅子はありますか?自分専用に使えるインターネットやプリンターはいつでも使える状態にありますか?また家族はあなたの活動を支援してくれているでしょうか?
- 場所、時間
専用の机と椅子、集中できる場所、集中できる時間を確保できるか - インターネット環境
今や転職サイトの閲覧に必要不可欠です。求人情報を送ってくるメールマガジンの受信にもお宝情報が満載です。また応募のやり取りもメールを使うケースがほとんどなので、ネット環境は今の転職活動には必須です。
- 図書館や自習室など集中できる場所の確保
集中できる場所の確保と情報収集のため、近隣の図書館の場所、開館時間、休館日をチェックしておきましょう。複数あれば尚良いです。
さらに近所の静かな喫茶店や、長時間机が使えるマンガ喫茶の場所もチェックしておくと非常に便利です。
- 家族との折り合い
基本的に失業している間は、在宅になりますので、コミュニケーションを密にしておくことが非常に大事です。今後のスケジュールや目標、また結果やそれに対する考え方を率直に話し、自分自身の現況を伝え続けることが必要です。
そして、これだけは意図的に行い続ける努力が必要です。
このような視点で身の回りを整理していきましょう。
40代はゴールを明確にしなければ失業期間が長引く
転職先に内定をもらい入社し定着するまでがゴールだと考えなければなりません。
ゴールまでの期間を限定しなければ、40代の転職活動は前に進みません。
まずは、どれだけの期間を求職活動に費やすのか?また、どれだけの期間活動することができるのかを考えなければなりません。
私と同じように、場当たり的に活動を開始した40代を見ると、6か月から1年の長期間の活動になったケースがほとんどです。
しかし、具体的にスケジュールを組んでモチベーションを保ちつつ戦略的に取り組めるのはせいぜい3か月が限度。
転職活動が長期に及べば及ぶほど経済的に苦しくなりますし、モチベーションをその期間中ずっと維持し続けられることは極めて困難です。
また失業している期間の生活は、転職活動はしているものの仕事をしている日常とはかけ離れています。
自分自身は忙しく活動していてもビジネス上の会話をする相手がいないため、長期に及ぶ職業上の空白期間をもつ人は連続して会社勤めをしている人と会話がスムーズにいかないことさえありえます。
それは、ビジネス上の常識を忘れていたり、新しいビジネスの話題についていけないことがあることを意味します。
これらの事態は、面接の時の印象にモロに現れてしまう重大な問題。
したがって、可能な限り短期間で就職を成功させる必要が出てきます。
とはいうものの、1か月での転職は絵に描いた餅のようで極めて困難ですよね?
履歴書類を郵送して効果が現れるまで、最低でも1か月から2か月必要になります。
それゆえに、少なくとも2か月、余裕をみて3か月は転職活動を行えるよう段どるべきです。
40代の転職活動は支出を把握することも超重要
考えておきべき要素は次の通り
- 毎月の家計費
食費、光熱費、家賃や家のローン、絶対に外せない費用を把握 - 時期的支払
ローンのボーナス払い、車検、各種保険、年金、子供の養育費等、一時的に生じる一括払いの予定を把握 - 転職活動費
転職に要する活動費の概算を行い、あらかじめ予算として見込んでおく
切手代など細かい出費が意外に多いため、合計するとかなり大きな金額になります。
あらかじめ予算を立てておくことで、予想外の金銭ロスを防ぐことができますね。
活動費には、ハローワークや面接に行く交通費だけでなく、書類発送の消耗品費や通信費、プリンタートナーの消耗品も含みます。 - 活動中の収入
支出に対して、活動中の財源を確保すべきです。
活動中の失業保険給付金収入、貯蓄、借入金を確認して、万が一の経済的破綻が起きないように備えなければなりません。
リストされ失業期間が長引き、マイホームを泣く泣く手放した話はよく聞きます。
緊急の場合は、短期間のアルバイトもやむを得ないでしょう。
このような要素を考え合わせた結果、適切なゴールを設定していきましょう。
これは4月までといった曖昧なものでは意味がなく、3月25日までに転職することを明確にしなければなりません。
40代の転職活動スケジューリングは、このゴール日から逆算して行動を開始することになります。
40代の長期失業者が絶望する前にやること
40代の長期失業者は、自宅警備員と称されることがあります。
職なし、金なし、人脈なしで誰からも相手にされず、仕方なしに家にいる40代が、自分たちのことを自虐的にこう呼ぶ場合もあります。
しかも悪いことに40代が在宅していると、精神的な問題だけでなく無能者とされ精神的に辛い場合があります。
平日に外をブラブラしていると妻から「恥ずかしいから外を出歩かないで」と言われ、家から出ることができなくなり、社会との繋がりが絶たれ引きこもってしまう40代は少なくありありません。
転職活動が上手くいかず長期失業者になった人、希望業種と希望職種の見直しを早急に図るべきです。
最初から希望業種を一つに絞り込んで転職活動をすることは危険ですし、なかなか上手くいきません。
希望職種も職歴の棚卸をして、第2希望、第3希望まで決めておくと活動の幅が広がり、それだけ内定を貰える確率が高くなります。
私の場合、製造業の総務管理職が第1希望でしたが、なかなか見つけることが出来ず応募しても相当な倍率でした。
3か月ほど経った頃、転職サイトや転職エージェントを通じ違う業界・違う職種にも応募を開始。
運輸業やサービス業の総務職、人事職、購買職、製品管理職、工程管理職、社内SEなど幅広く応募。
すると徐々に「うちは総務が社内SEを兼ねているんだ」とか「うちは総務が購買をやっているが、経験はあるか?」って質問が返ってくるようになりました。
余裕があるうちは、第1希望にこだわって良いですが、ある程度期間が経てば第2希望、第3希望にシフトしていくことを強くオススメします。
また自分独りでは、どんな業界どんな職種が可能なのか分からない方は、ハローワークや転職エージェントのキャリアコンサルタントに相談すれば良いでしょう。
私は最終的に、キャリアコンサルタントと相談したうえで、医療福祉関係の総務職として見事転職を果たしました。
40代の転職支援をしている管理人からアドバイス
40代が、不採用続きなのは自分の市場価値やニーズを把握していないことが大半。
総務職や企画職など人気職ばかりを狙っていませんか?大企業や有名企業ばかり応募していませんか?中小企業やベンチャー企業にだって、経験値の高い40代が活躍できるフィールドはいくらでも存在します。
人は自分の範疇でないと中々物事を決められない生き物ですから、我々のような有料転職支援会社に相談すべき。
登録拒否とか門前払いが怖いって理由だけで転職エージェントと関りを持とうとしない40代が多いですが、理由を付けて転職エージェントが持つ非公開求人枠を取りにいかないのは転職そのものを諦めるのと同じです。
転職エージェントは、転職サイトと違い無料で色々お世話してくれます。
転職エージェントに出向いて面談しなければならないデメリットがウザいですが、履歴書類作りやブラシアップを手伝ってくれたり、求人検索の時間が短縮できる点では他人任せにして転職活動を進めていきたい40代にとっては頼もしい存在と言えます。
私が最もお世話になったJACリクルートメントは、日本の企業にはないリクルートメント・コンサルタント制を取っています。
これは、企業担当者がキャリアコンサルタントを兼任する形態を取っており、先方の企業風土や採用担当者の年齢だけでなく、性格やどういう人物が好まれるかの企業情報を詳しく教えてくれ面接対策に威力を発揮します。
さらに、登録から求人の紹介、面接、内定に至る一連の流れが非常に早いのが特徴。
紹介してもらえる求人は、基本的に面接まで進めるためストレスを感じることはありません。
JACリクルートメントは、キャリアコンサルタントの質が一定ではない当たり外れのデメリットがありますが、大手なのでキャリアコンサルタントの変更に応じてくれますし、登録拒否された話はあまり聞きませんが、登録時に作成するレジュメは空白のないよう心掛けてくくださいね。
失業した40代が計画的な転職活動できない理由
最後に要点を纏めておきますので、参考にしてください。
- 計画性のない転職活動は、失敗の元で失業期間が長引く
- 戦略的に行動することが目標達成に繋がる
- ゴールを明確にしなければ、転職活動が長引いて絶望
- 収支は常に把握して、万が一の場合に備えること
リストラや親の介護でやむなく失業した者でなければ、「絶望」の意味は理解できません。
仕事も家庭も順風満帆に行っていれば考えることすらありませんが、40代は万が一の場合に備えておくべきではないでしょうか?
転職エージェントやハローワークでの辛辣なアドバイスは二の次と考えて、「自主主導」で戦略的に転職活動を行ってみませんか?
今までとは違った世界が見えてきますよ。
転職支援をしている総務人事歴12年の斉藤でした。