40代の多くが転職活動を行う際、すでに退職して仕事をしていない状態の方も多いですよね?
不安でたまらない状態でも、今までの社会的な関係から一歩離れ客観的に自分を見つめ直すことができます。
何らかの解放感も感じられるのではないでしょうか?
それゆえ転職活動を、本来の仕事とは一線を画した特別な活動と考えがちですが、何となくこれまでの生活や未来の転職後の生活との連続性が感じられなくなることもあり得ます。
しかし一方で、転職活動そのものがこれまでの仕事と同レベルに感じられた方もいらっしゃるのではないかと考えます。
目次
40代の転職者は自分自身を商品と考え企業に売り込む
私は転職活動をこれまで40代が行ってきた仕事上の業務の1つと考えて行動すれば成功の確率が高いと考えています。
とりわけ、対比として一番近い業務は、「営業」活動とでも言うべきでしょうか。40代にとって転職の真の目標とは何でしょうか?
例えば、よりよい生活、より高い給料、より充実した仕事、より高いレベルの自己実現など求職者の人生にプラスになる何かを求めることに他なりません。
それが転職を営業活動として考えた場合の「売上」または「利益」に当たります。
また、転職活動を行う相手は企業になりますが、これは「お客様」と考えて良いでしょう。
では「商品」に当たるものはもうお分かりでしょうが、それは求職者自身に他なりません。
売上を上げるためには、お客様に商品を買ってもらう必要がありますが、より高額な値段で買ってもらえたほうが好都合です。
そのための戦略を考え実際に行動に反映させるのが、営業本来のあり方であり求職活動の望ましい姿。
企業にとって人材を採用するということは、年間数100万円~1000万円以上のコストがかかる高額な商品購入に違いありません。
依然、経済状況の明るさが戻らない現代において、全面的に支出にブレーキをかけている企業がこれだけの費用をかけて買う商品を見る目が厳しくなるのは当然の結果ではないでしょうか?
費用相応、あるいはそれ以上の利益が将来もたらされることが確信できなければ、なかなか買ってもらえません。
しかも、市場には競合商品が多く存在しています。
そんな時、優れた営業マンはどういう行動を取るのでしょうか?
私はその要点は2つあると考えています。
1つ目は、お客様の潜在的ニーズを分析し、ニーズのあるところに積極的かつ効率的に営業活動を行うこと、2つ目は、競合する他の類似商品と違った独自のメリットを分かりやすく、かつ効果的にアピールすることと考えています。
私自身、仕事人生の中で営業職に就いた経験がなく40代で転職活動を開始した際、いかに商品をアピールするかのテクニック欠けていましたが、場数を踏み失敗を繰り返すことによって、自然と商品をアピールする力がついていきました。
40代は、転職活動を「営業」業務の一環と仮定して行動することが、成功への鍵となります。
次に顧客に対する営業の方法を考えていきましょう。
企業に対しどのようなアプローチをするかについてです。
40代転職は訪問販売的な攻めのアプローチこそ王道
小売業のように、商品を並べて購入者を待つという売り方があります。
これは、例えるならば人材紹介サービスのビジネスモデルです。
その流通ルートに自分を乗せてもらうことは販売機会を増やす一つの方法です。
しかし、これは自分をその他大勢の競争相手の中に放り込むことと同じなので、類似商品との差別化ができる保証は一切ありません。
また、必ずしもよい条件をもっていない40代には売り場の責任者、つまり人材紹介サービスの担当窓口が積極的になってくれない可能性があります。
それでは、どのような手法が有効だと考えますか?
むしろ、40代の転職において、手本にすべきは訪問販売的なアプローチ。
商品を買いたいと思っているお客様がどこにいるのか、また同じ種類の商品なら特に何に着目して選ぼうとしているのかを考え、できるだけ高く買ってくれそうなところにターゲットを絞ってセールスを行うのが王道。
何しろ売り込むべき商品は一つしかありません。
そのためには、1つはターゲットリストの作成を行うことが必要となってきます。
これは、顧客の志向やニーズのマーケティングデータに基づき、商品を買いそうな対象をリストアップして片っ端から当たっていく方法に他なりません。
これらを戦略的に分析するためには、以下のような情報源をマーケットの把握状況に役立てるべきです。
- 会社四季報東洋経済新報社
会社情報調査の定番中の定番。季刊で日本の全上場、店頭企業約3700社の詳細データを収録しています。 - 日経ネット、総合企業情報
最新のIR情報、財務データ、企業広告、さまざまな企業発表資料が、企業名や株式コードで検索可能 - J-Net21
中小企業の情報を、業種や技術、製品・サービス、専門人材の領域から検索可能
他の企業情報提供サービスとは違い、ユニークな特徴を持つ中小企業が数多く検索可能 - Yahoo!ファイナンス
株価情報を中心に、業種別にマーケット速報などの検索が可能
もとは検索エンジンサイトであるため、気になる情報を見つけたら、すぐにディレクトリ検索に移動できる点が優れている
しかし、これらのデータからは個々の顧客の購買意欲の高さを測ることはできず、業種や職種、業績などのデータによってターゲットリストを作成せざるを得ないことになります。
転職市場において、商品を買いたいと思うお客様自らが手を挙げてくれる仕組みがあります。
それが転職サイトや人材紹介サービス上での求人情報です。
その中にいるお客様をターゲットにすることは、少なくとも自分で業種や職種などで企業リストを作成して優先順位を付けるよりも簡単。
また人材採用を望んでいるかどうか測ることができない企業に、むやみやたらに応募するよりも遥かに効率的なのは、求人を表明している企業は自らアプローチを望んでいるのですから。
「ハローワークには自分に合った求人がない!」とお嘆きのあなた!ハローワークに求人がなくても、転職サイトにはあるかもしれないし、転職エージェントはあなたに合った非公開求人を持っているかもしれません。
「どうせ俺なんか取り得もないし、年齢も年齢だから登録してもらえないさ」と最初から諦めている人が多すぎるような気がしてなりません。
私自身も同じように、40代でリストラされて転職活動をしました。
なによりも長年に渡り勤めてきた職場を追い出されたのが辛かった。
そのうえ、失業給付の期限は刻一刻と迫ってくる恐怖、求人がなかなか思うように見つからない焦り。
果ては家族に辛く当たってしまう毎日を送っていました。
繰り返しになりますが、転職は「営業」という業務の一環と仮定して行動することが、活動成功への鍵となります。
40代はメリットが伝わればあっさり売れる事実を知る
ただし問題は、お客様である企業が望んでいる商品が、例えば「若い」とか「実績」があるとか、種類は同じでもこちらの商品とは多少の違いがありそうだと推測しなければなりません。
それでは実際に商品購入時の行動心理を考えてみましょう。
最初は「こうでなければならない」と考えていたのに、目の前に自分の希望する商品と少し違った商品を出され特徴やメリットを聞いて納得できれば、最初にいいなと思った商品よりも「こちらのほうがいい」と、最初の希望と違いう商品を買ってしまうことはよくあります。
同じようなことが転職市場においても、日常茶飯事で起こっています。
応募条件は、企業側の思惑の表明なので応募時に考慮すべきですが、あまり厳密にこだわらず、とにかく可能性のありそうな応募企業をできるだけ多くリサーチすることが40代の転職者にとって重要です。
とはいうものの、最初の営業の求職活動である応募書類についても、それなりに一手間かけるべき。
簡素なカタログよりも、相手の立場目線で作成したカタログのほうが見栄えがいいのは歴然です。
もちろん、割ける労力に限りがあるため、求人広告などを手段としてのアプローチにもリストが必要になってきます。
効率的に行動するためには、「綿密な情報収集」と自分に最適な「ターゲットの絞り込み」が必要です。
「綿密な情報収集」とは、様々な情報収集する手段を十分に活用して、利用できる限り求人情報を漏れのないように調査することを意味します。
転職サイトや新聞は言うまでもなく、ハローワークに代表される公的機関、民間の人材紹介サービス、さらには友人・知人の協力人からの情報すべてを駆使して調査します。
そのなかで自分の希望する職種を探し、自分の条件に近い募集を行っている企業あるいは自分の希望に近い求人情報を分析。
これが最適なターゲットの絞り込みです。
その結果、様々な手段で収取したリストは単に漠然とした可能性のある応募企業リストではなく、実際に応募書類を送り付けることができる応募先リストに進化していきます。
これは言い換えれば、具体的な営業活動を行うべきターゲットリストです。
このリストは毎週作成され、できるだけ多くのターゲットが更新されていきます。
転職で重要なのは満遍なく求人情報を取集し続けること
情報源には、求人情報を収集できるメディアや機関が情報源であり、その種類は多種多様。
求人情報そのものは豊富に存在し、毎日大量の情報が更新・追加・削除されていますが、重要なのは様々な情報源から求人情報を満遍なく探すことです。
さらに、多種多様な情報源から得られる大量の情報を漏れなく受け取らなければ、転職活動を継続させることは難しいと言っても過言ではありません。
求人情報の情報源について既ににお気づきかもしれませんが、情報収集先は週に20箇所から30箇所に及びいざ転職活動を始めてしまうとあっという間に過ぎてしまいます。
行き当たりばったりで探していては、役に立つ情報が集まってくることはありません。
情報収集の戦略を考えたうえで、スケジュールやノルマを立てて実行していかなければなりません。
例えば、会社勤めをしながらでも、日曜にはインターネットで転職サイトをチェックし、月曜日には図書館で新聞を閲覧、火曜日にはハローワークを訪問、水曜日には転職エージェントへの定期連絡といったように、全ての予定を書きだし「週間スケジュール」を作っていくべきです。
40代の転職支援をしている管理人から一言アドバイス
40代が、不採用続きなのは自分の市場価値やニーズを把握していないことが大半です。
総務職や企画職などの人気職ばかり、狙っていませんか?大企業や有名企業ばかり、応募していませんか?中小企業やベンチャー企業にだって、経験値の高い40代が活躍できるフィールドはいくらでも存在します。
人は自分の範疇でないと中々物事を決められない生き物ですから、我々のような有料転職支援会社に相談するべき。
登録拒否とか門前払いが怖いって先入観だけで、転職エージェントと関りを持たない40代が多いですが、その行動は完全に間違っています。
理由を付けて、転職エージェントが持つ非公開求人枠を取りにいかないのは転職そのものを諦めるのと同じ。
転職エージェントは、転職サイトと違い無料で色々お世話してくれます。
転職エージェントに出向いて面談しなければならないデメリットがウザいですが、履歴書類作りやブラシアップを手伝ってくれたり、求人検索の時間が短縮できる点では他人任せにして転職活動を進めていきたい40代にとっては頼もしい存在。
私が最もお世話になったJACリクルートメントは、日本の企業にはないリクルートメント・コンサルタント制を取っています。
これは、企業担当者がキャリアコンサルタントを兼任する形を取っており、先方の企業風土や採用担当者の年齢だけでなく、性格や好みの企業情報を詳しく教えてくれ面接対策に威力を発揮します。
さらに、登録から求人の紹介、面接、内定に至る一連の流れが非常に早いのが特徴。
紹介してもらえる求人は、基本的に面接まで進めるためストレスを感じることはありません。
JACリクルートメントは、キャリアコンサルタントの質が一定ではない当たり外れのデメリットがありますが、大手なのでキャリアコンサルタントのチェンジに応じてくれますし、登録拒否された話はあまり聞きませんが、登録時に作成するレジュメは空白のないよう心掛けてくくださいね。
自分という高額商品を売り込む技術が絶対に必要まとめ
最後に今回の要点をまとめておきますので、参考にしてください。
- 転職活動は仕事の延長線上と考える
- 転職者は、自分自身を商品と考えて活動
- 転職は、訪問販売的な攻めの活動が必要
- メリットが伝われば、あっさり採用される
- 転職活動で重要なことは、広く浅く求人情報を検索すること
時間と共に減っていく求人情報を確保し続けることは、想像以上に難しい作業です。
しかし、あなたが本当に今すぐ転職したいと考えるのであれば、努力を惜しむべきではありません。
全力で転職活動し、一日でも早い再就職を陰ながらお祈りしています。
転職支援をしている斉藤でした。