ルート配送は本当にきついのか?40代未経験者が転職で飛び込んでみた

ルート配送は誰とも接することなくマイペースで仕事できると、安易に考えている40代は多いのではないでしょうか?

確かに運ぶのは人ではなく物ですし、積み込みと積み下ろしの時以外は実質ひとりで運転。

マイペースで仕事ができるとも言えます。

先日、飲食業界で長年働いてきた友人からから「可能な限り人と接することがない職種に就きたい。できれば食品配送とかがイイな」と転職支援の依頼を受けたところです。

どうやら運送業界のことを知らない方たちにとって配送=マイペースで仕事、誰とも会わずに済むと思っている方が多いようですが、実際はどうなのか検証してみました。

目次

食品配送は40代の未経験者でも十分に転職可能である

食品配送は40代の未経験者でも十分に転職可能である

インターネット通販が飛躍的に広がっていることもあって、配送量は確実に増加。

そのような状況下で、運送会社はどんどん配送拠点の発展に着手している状況です。

インターネット通販事業は今後ますます成長が予想されており、配送業界としてはバブル状態となっていますが、人材が限りなく不足して危機的状況を迎えています。

ドライバーが不足している問題点は、Amazonのメール便の爆発的増加に代表される物流量の増加とともに、休み時間を取ることが許されない、深夜までサービス残業を強いられる長時間労働が問題になっています。

それゆえ3Kと呼ばれる配送職への担い手が極端に不足しているのは、労働環境が他の業界よりも劣悪だとイメージされていることが原因と言われてきました。

こういった配送業界がぶち当たっている長時間労働の問題を受けて、平成27年4月3日に国土交通省より「トラック輸送における長時間労働の抑制に向けた取組」について告知され、労働環境が多少は改善されました。

このような状況から、安心して就労できる環境にテコ入れされたため、これ以降は転職者数の増加が期待されています。

また、企業の信頼される形で、安全性優良事業所で取得可能なGマークやグリーン経営認証の取得に力を注いでいる企業が増加傾向。

Gマーク取得をしている企業は、長時間の運転を防止するだけでなく社内研修も充実させて事故防止に努め働く環境を整備。

配送業界全体で、海外進出に向けて強い意欲を示しているのもこの業界の大きな特徴。

成長が著しいアジア市場に対して、売上高の拡大を狙って動き出しており、今後は語学知識のある人材も求められることが予想されています。

ここ数年、女性の転職者も増える傾向が続いており、国土交通省自動車局が配送員を含む女性運転手の活躍を活発化させるために「トラガール」の呼称でプロジェクトを推進し、中高年の女性でも転職しやすい環境整備が進められているところです。

女性参入の障壁になるトイレ問題については、コンビニエやガソリンスタンドに対して、女性運転手がトイレを自由に使用することに対し、理解や協力を要請する動きすらあります。

それに加えて、日本においては超高齢化社会が到来することもあり、食品だけでなく日用品を巡回して配送するサービスの需要が高まってきています。

かつては物を運ぶサービスに限られていましたが、高齢者とのコミュニケーション力も必要とされる様に変化しつつあります。

将来的にもこの流れは、拡大していくことがが予想され、大きなビジネスチャンス。

配送のお仕事に就くにあたり注意しなければならないことは、配送する品物の大きさ次第で車の大きさも違ってくる点。

必須とされる免許の種類や配送にあたる距離は、企業や配送地域次第で違ってくるため、転職者は事前にしっかりと確認を済ませておくことが重要です。

入社後に「こんなはずじゃなかった」と思い悩まないように、最終面接で疑問に思っていることは全て聞いておくべき。

これからも発展していく業界であるため、運転技術だけではなく語学力やITスキルも余すことなく発揮できる業界だと、今一度理解しておくことが大切です。

40代必見!配送業界の仕事は多種多様で需要も拡大中

40代必見!配送業界の仕事は多種多様で需要も拡大中

配送のお仕事は、主に企業や店舗、個人宅へ荷物を配送するのが主な業務内容です。

契約している店舗へ決められた区域内の配送が主な業務のルート配送、若しくはそれぞれのお家に宅急便の荷物を配達・集荷するお仕事があります。

配送する荷物は企業毎に違いますが、食品や日用品などネットショッピング系の商品、ビジネスで売買されている資材、これ以外に小包から封書に至る。

また、運転する車の大きさも軽トラックから4tトラック等と様々です。

ですから、これらの運転に必要な免許の種類も違いますので、事前にチェックしておきましょう。

軽自動車や小型トラックでの宅配は、普通自動車免許が必須条件ですから、事故をしないように運転する意識や確実性が欠かせません。

基本的に割り当てられたエリア内のコースを配送しますので、エリア内の地理を極めてしまうことで、効率的にかつスムースに業務を遂行することができるようになります。

小型トラックは、2~3tクラスを指します。2~3tと聞くと大きいと思ってしまいますが、このサイズのトラックであれば女性でも乗りこなせる大きさです。

町でよく見かけるのが、自動販売機の充填作業、生協の宅配、Amazonの配送員ではないでしょうか?

輸送する荷物が比較的小さいサイズを取り扱っている場合は、体力的な負担も少ないので、40代だけでなく中年女性やシニア層の人達でも貢献できる職種と言えますよね?

中型トラックに乗って配達する業務は、主に高速道路を利用し、各都道府県の集配ターミナルへ契約済の荷物を運ぶのが仕事。

多くは、日帰りで行ったり来たりできる距離の配達業務がほとんど。

このようなケースでは、車両総重量5t以上11t未満中型自動車免許が絶対必要です。

未経験から中型トラックドライバーを目指すのであれば、免許取得が必要ですのでリスクが伴うと言えます。

最後に、大型トラックの運転手は、その他役割の人と一緒に作業をすることが多くなります。

具体的な例を挙げると、運搬する荷物が巨大でかつ重く、人力で運べない場合はフォークリフトを使って荷物の上げ下ろしをしなければなりません。

また、大型トラックの場合は長距離を走ることがほとんどですから、道中トラック中で仮眠を取りつつ、何日間もかけて荷物を届けるために運転し続けなければなりません。

ですから、長時間の運転は体力的にも精神面的にもキツイ仕事であるため、普段からの体調管理だけでなく体力づくりが欠かせません。

長距離トラックの運転手になるためには、車両総重量11t以上の大型自動車免許が必要。

免許取得に加え体力面でのハードさが目立つ職業です。

ざっと見て配送には様々な業務やカテゴリーがあることが分かり、トラックが大型化するにつれ給料の待遇面も高くなりますが、体力や精神面で様々なリスクが伴います。

3K(キツイ・汚い・危険)の代表的な職種と揶揄されており、担い手が枯渇しているのが今の日本の現状。

ですから、よほどのことがない限り、軽自動車~小型トラックでの配送にしておくことを強くお勧めします。

運送業界は長時間労働と事故発生率が高い特徴がある

運送業界は長時間労働と事故発生率が高い特徴がある

運送業界は、サービスである物品を配送してナンボで24時間365日稼働しているので、我々サラリーマンと同じように週休2日制を採用するわけにはいきません。

また、一般的に配送職が3Kと呼ばれているのも、体力が必要な職種であったり長時間労働を強いられるイメージが定着しているのが原因ですよね。

デメリットその1:長時間労働で体力勝負

配送する荷の大きさにもよりますが、とにかく体力が必要。

荷台に積み込むのは配送者の担当ですから、雨風や真夏はキツイですね。

夏場は業務用クーラーが効いている配送ステーションもありますが、やはり暑い。

現場勤務であれば、早出残業は当たり前。早朝と、再配達が始まる夕方頃から忙しくなる傾向にあります。

特に夕方は一日の集計作業もあるためバタバタしますし、20時・21時の再配達指定があるため定時に帰宅するのは物理的に不可能。

再配達を終え集計作業、帰宅は1時2時なんてことも珍しくありません。

全日本トラック協会の調査によると、トラック運転者の年間実労働時間は、「規制緩和」以降暫減傾向が続いていましたが、2002年以降増加に転じ、月間実労働時間、年間実労働時間とも長時間傾向が続いています。

平成23年度版の「トラック運送事業の賃金実態」調査結果では、従業員の平均月間労働時間をみると、全職種平均で所定内170.9時間、所定外46.5時間、合計217.4時間(前年215.1時間)となり、前年より2.3時間長くなっています。また事業別では、特別積合せトラックで所定内171.4時間、所定外51.1時間、合計222.5時間(同225.2時間)で、前年より2.7時間短くなっています。

一方、一般トラックでは、所定内170.6時間、所定外42.7時間、合計213.3時間(同210.6時間)で、前年と比べると2.7時間長くなっています。

職種別には、特積み、一般ともに男性運転者の所定外労働時間が長い傾向となっています。

年間労働時間では、特積みでは2,598.9時間、一般では2,482.5時間となっています。

厚生労働省の「毎月勤労統計調査全国調査」(事業所規模5人以上)による1人平均月間所定内・所定外労働時間(平成24年)では、調査産業計では所定内労働時間が136.7時間、所定外が10.4時間、合計147.1時間であり、これと比べると特積みでは、所定内34.7時間、所定外40.7時間、合計75.4時間、一般トラックで所定内33.9時間、所定外32.3時間、合計66.2時間と長くなっています。

月間で約70時間、年間で840時間も長く働いている事になります。

トラック運輸産業の長時間労働は全産業中ワースト1であり、人間らしい生活をめざす私たちにとっても雇用確保・企業存続を願う業界にとっても、その改善が極めて重大な課題となっています。

2018年4月8日 建交労長崎県本部より引用

一般的に24時間365日稼働している業界ですから、土日祝だけでなくお盆年末年始、ゴールデンウィークなんてありません。

プライベートを重視したいのであれば、あまりお勧めできませんね。

また、男女関係なくシフト勤務、宿泊待機があるので、体力のない中高年にはキツイですね。

それゆえに、規則正しい生活はまず送れないと考えて間違いないので、十分覚悟のうえ転職することをお勧めします。

デメリットその2:横暴な荷主。絶対権力

荷主の横暴は今に始まったことではありませんが、昨今の低価格競争のしわ寄せが確実に末端の配送業界に及んでいます。

配送するのに高速道路を使ったと仮定し、6時間かかるところを「3時間で持って来い!嫌なら契約解除だ」的なパワハラは日常的に繰り広げられていますし、上司に助けを求めても「自分で何とかしろ!」の一点張り。

だから皆生活のため、交通違反せざるを得ない状況に陥いってしまう。

荷主の横暴による手待ち時間と最近の動向

スーパーやコンビニエンスストア等では24時間・365日営業が当たり前になっています。こうした関係でトラックの業務も24時間・365日の運行や配送が余儀なくされ、荷主側の都合による厳しい時間指定や荷待ち時間があり、長時間労働の原因ともなっています。

特に、流通業界大手の集約センターや、食品関係等では納入・搬出時間が決められ荷積・荷降ろしするトラックが集中するにもかかわらず、施設の不備から限られた台数による作業を強要され、長時間にわたる荷待ち時間が発生する事案が顕著に見られています。

運賃が距離や重量で支払われる為に、輸送に掛る時間が度外視され、荷主側の「トラックは待たせても運賃は変わらない」とした意識が荷待ち時間の短縮に向けた弊害となり、長時間労働が蔓延している実態もあります。

荷物の積み下ろしにおける手待ち時間は労働時間として争われた裁判で、横浜地裁相模支部は2014年4月24日に、「待機時間を労働時間と認める」判決を下しました。

業界内では、待機時間 = 休憩時間との意識が強く、トラックを離れる事の出来ない状況時も休憩時間としている事業者も多くあります。

全ト協では、ドライバーへの指示が不明確になっている事が問題であり、待機時間の指示を明確にするよう会員へ呼びかけています。

2018年4月8日 建交労長崎県本部より引用

デメリットその3:事故発生率が高い

運転してナンボの世界ですから、単独事故だけでなく人身事故とも常に隣り合わせです。

事故によっては新聞沙汰も珍しくなく、人身事故に発展するケースでは企業としてのイメージが損なわれるため大きな問題とされます。

また、業務中に単独事故を起こし、後日会社から「修理見積が50万円になったので、10か月に渡り給与天引きする」見積書を見せられ契約書に無理やり署名させられた事例は数えきれないほど報告されています。

従業員が会社に対し、損害を与えた場合 その損害を賠償する責任が生じます。

しかし、会社は、従業員の活動によって 利益を得ていますから従業員の活動によって 被った損害についても、一定程度負担すべき とするのが判例・通説の考え方です。

*最判昭和51年7月8日( 民集第30巻7号689頁 ) 「 使用者は、その事業の性格、規模、 施設の状況、被用者の業務の内容、 労働条件、勤務態度、加害行為の態様、 加害行為の予防若しくは損失の分散に ついての使用者の配慮の程度その他諸般の事情に照らし、 損害の公平な分担という 見地から信義則上相当と認められる限度において、 被用者に対し右損害の賠償又は 求償の請求をすることができる 」 したがって、質問者様が 損害全額を補償しなければならない事態は通常考えられません。

2018年4月8日 弁護士ドットコムより引用

ルート配送って本当にきついのか40代が転職した結果

最後に要点を纏めておきますので、参考にしてください。

配送業界の特徴

  • 慢性的な人手不足で3K(キツイ・汚い・危険)
  • 女性の進出もめまぐるしい
  • 小型トラッククラスであれば比較的簡単に扱え物品もさほど重くない
  • 長時間労働になりがち

私自身、20代は運送業界に在籍しました。

世間的には3Kと言われる業界ですが、ドライバーさんの中には温かい人も多く人生について色々学ばせてもらいました。

転職支援をしている斎藤でした。

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