「介護離職って最近よく聞くけど、実際に離職している人ってどれぐらいるのか?」疑問に思っている40代の方は意外に多くいます。
私自身20年前に父親の介護に直面。
大手造船会社のSEとしてバリバリ働いていた父が原因不明の病気で突然倒れたのです。
半身不随になった父を、当時は介護保険制度も始まっておらず家族全員で介護しましたが、気丈だった父は自分の置かれている現実に絶望し荒れ始める最悪な事態に突入。
昼間から飲酒して母親に暴力をふるい、果ては息子たちにも暴言を吐くようになり。
私達も耐え切れず病人である父親に暴言を吐いたり介護拒否をしてみたり、いわゆる家庭崩壊って状態に陥りました。
正直な話「早く死んでくれないかな?」と毎日思っていましたよ。
これらの疑問を解消すべく、無職である40~49歳の男女を対象にアンケートを実施。
目次
無職になった40代の多くは精神的な理由によるもの
その中で「無職になった理由」に対し、精神的な病気で辞めた人たちがなんと約46%に上がりました。
倒産、リストラ、派遣切りといった会社都合で仕事を失った人が約22%の第2位。
「何度かの転職後、正社員として転職したが激務で心身ともに崩れ遂には自殺未遂を図ってしまった」(42歳・男性)、「もともと高校生の時から精神的に弱かったが卒業後、正社員の仕事が見つからず職を転々としているうち、うつ病になった」(40歳・男性)悲痛な声が続々と届きました。
彼らの多くは、根は真面目な人たちばかりです。
働かなければならないと、強く思うほど心の状態を悪化させてしまう人達なのです。
また、「持病のヘルニアが重くて働けなかった」(40歳・女性)、「交通事故で脊椎損傷。車いすで働く環境がなく自主退社した」(39歳・男性)といった、病気やケガを理由に挙げる人々も約12%存在しています。
再就職以前に、通常の日常生活を送ることもままならず、うつ病に陥ることも珍しくありません。
そして、「キャリアウーマンの母に代わり、仕事を辞めて父を介護しなければならなくなった」(45歳女性)、「父親が病気になり、看病するために仕方なく退職した」(40歳男性)のように親の介護を理由に会社を辞める人も約8%いるのです。
しかも、「介護に当たっているから、転職することすらできない」(45歳・男性)、いったん介護問題を抱えると仕事への復帰も一筋縄ではいきません。
先進国の中でも類をみない、少子高齢化時代に突入した日本。介護が必要な人間は増える一方で、減る要素は全く見当たりません。
40代の働き盛りな時期に、両親の介護問題に直面する人も少なくありません。
これは全世代が直面する社会問題です。
都内の印刷会社に勤めていたUさん(41歳)もその1人です。
介護離職を余儀なくされた40代女性のリアルを紹介
Uさんに故郷の鹿児島から悲しい知らせが届いたのは、今から1年ほど前のこと。
母親が自転車で転倒して骨折したんです。明らかに状況がおかしかったので病院で調べてもらうと、パーキンソン病と診断されました。
私は1人娘で、父が自分だけでは面倒が見きれないので、地元に帰って働くことにしました。
こうしてUさんは、短大を卒業後20年もの間勤めていた印刷会社を退職することになってしまった。
社交的で面倒見もよく、友人が多かったUさんの母親は、掛け持ちで複数のパートをこなすほどの働き者だったが、病魔はその言動をガラリと変えてしまった。
飲む薬が毎月変わるんですが中には副作用がキツいものもあって、無気力になったり足のふるえが止まらなかったりする。
母は料理が好きですが、味覚がなくなってしまったことにも落ち込んでいました。
そのうち財布をなくしたり、どこからかトイレットペーパーを勝手に持ってきたりと認知症のような行動が目立ち始め、目が離せなくなってしまったと彼女は言う。
地元に戻ってから、当初は派遣社員として事務職に就いたUさんでしたが、母の介護が原因で遅刻や早退を余儀なくされることも増えていきました。
「ある程度は覚悟していた」と語るUさんですが、想像を超えていたのは頼りになるはずの父の豹変ぶり。
母の介護を巡って私と言い合いになり、ついには暴力を振るうように。
突き飛ばされたり、拳で何度も殴られたり救急車が来て大騒ぎになったほど。父は比較的大人しい性格だったのに子供のように怒りっぽくなってしまいました。
正直、父の認知症も疑っています。
結果、不安定な両親の面倒を1人で見ることになったUさんの負担は、文字通り倍増。
派遣社員として働くことも困難となり今年に入ってやむなく退職。
無職となった現在、収入は両親が受給する年金のみ悲惨ぶり。貯金を切り崩してなんとか凌いでいるが、先細りは明らかです。
先日、具合の良かった母が「私たちのことはいいから東京に戻りなさい」と通帳を渡してき2人して泣き崩れました。
どん底ですが、やれるところまでは頑張ろうと思っています。
とUさんはそれでも気丈に語ります。
介護離職せずに何とかできる40代は非常に少ない
誰もが「介護離職せずに何とかならないか?」と模索します。
よもや自分自身が、介護離職することになると思っていた40代は一人もいないでしょう。
介護離職に備えて今から対策を考えておくのも現実的ではないため、非常に難しい社会問題だと言えます。
また介護離職のため職歴にブランク期間がある40代も悲惨です。
「無職から抜け出せない理由」について尋ねると、「ハローワークの窓口に行っても年齢やブランク期間で門前払いされる」(44歳・男性)、と年齢やブランク期間を挙げる人もいれば、「外に出るのが怖い」(44歳・女性)とひきこもりに陥った人もいる。
彼らに共通して言えるのは、気力の著しい減退的な症状が出ること。
これが悪化して「もういいや」となってしまうと、社会復帰はさらに遠のいて行ってしまいます。
ハロワに門前払いされ続けた管理人からアドバイス
介護離職にしろ、転職活動が上手くいかず長引いたにしろ、ブランク期間があると何かしら問題のある人間とレッテルを貼られます。
そういうレッテルを貼られた状態で、転職活動をしても上手くいきませんし、もう無理ゲーと考えアルバイトや派遣社員に走ってしまう40代は非常に多い。
私自身、40代でリストラされて転職活動した際は1年近く失業が続き、「あなたはこの1年何してたの?」って質問ばかり受けてウンザリしましたよ。
在職中であれば、転職サイトやハローワークで良さげな求人が出たら応募するスタイルで問題ありません。
しかし、離職中の40代はある意味時間との闘いです。
グズグズしていたら、あっという間に3か月、6か月経ち失業保険が切れ無収入になってしまいます。
収入が途絶えると、たった130円の缶コーヒーさえ、購入をためらうようになります。
無収入の恐怖は、失業した人間にしか分からない感情。
ですから、失業保険が切れそうで後がない40代は、転職エージェントに登録して、こちらから間髪入れず良質の求人を取りに行くべきです。
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でも、書類作りや求人検索の時間が短縮できる点で、コンシェルジュ的な役割を果たしてくれるので私は全然面倒くさくない。
どちらかというと、転職サイトは自分からガンガン応募していく必要があるので、受け身で求人の紹介から入社まで全部お任せしたい人はやはり転職エージェント。
転職エージェントを選ぶ際の注意点ですが、その転職エージェントがミドル層の求人を積極的に扱う気があるのか否かが重要です。
ですから不必要に20代・30代向けの求人を扱うマイナビ転職に登録しても期待薄。
また、選考時間に時間がかかる転職エージェントも避けるべきです。(内部選考があるエージェントは論外)
ACリクルートメントは、キャリアコンサルタントが企業担当のリクルートメント・コンサルタント制をとっており、採用企業の内情や担当者の性格、どういった回答をすれば喜ばれるかまで分かるから、自分は面倒くさくなかった。
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介護離職で仕事を失った40代正社員の悲痛な叫び
最後に、今回の要点についてまとめておきますので、参考にしてくださいね。
- 介護離職が原因で無職になった40代の人数は第4位(8%)
- 介護離職に備えることは現実的に不可能
- 介護離職していた40代もブランク期間があるため、再就職しずらい
40代以上で無職になった理由 第1位:精神的な理由(46%) 第2位:会社都合(22%) 第3位:病気やケガ(12%)
転職支援をしている斉藤でした。